「人が変わる」という話

 こんにちは亀です今回は「人が変わった」という言葉についてです。

 

 「人が変わった」という話はよく聞くのですが、実際に代わっているのは相手なのか、自分なのか…と思うことがしばしばあるのです。

 人に対する認識は、自身との相対位置的なものによるものが大きいと考えます。それは、好悪等も含むあらゆる評価や認識は自身の考え方や経験に基づくもので、絶対的な評価などし得ず、かつ自身や自身のなした他者への評価との相対的な比較によってなされるものだと考えているからです。

 さて、こう考えると人が変わったという自身の評価や認識に基づく表現は、自身と相手の相対位置が変わったことにより発生するものではないかと考えられます。こうなると「人が変わった」のは相手なのか、そう評価した自身なのかわからなくなってしまいます。

 自身の立ち位置の変化を把握するためには他者との位置関係を把握することが必要ですが、対人関係では互いに位置が動き続けているので自身の立ち位置の変化を把握できません。そのためには、立ち位置が大きく変わらないものとの位置関係を見てみる必要があります。本を読み返すという行為は、このために有用なのではないかとも思うのです。